ソウルサクリファイス レビュー

    2013年03月18日 21:59

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    ━━SCE製の新規狩りゲー
    ソウルサクリファイスはSCE製の新規IPで、モンハンでブームに火が付いた所謂狩りゲーのジャンルに分類される。
    発売前から大規模な宣伝を打っており、MHの抜けた穴を埋めるVitaの柱にしようという気概が感じられた。
    本作では体験版の配布からユーザーの意見をフィードバックしており、製品版ではいくつかの不満点の改善がなされている。4月のアップデートではさらにいくつかの改善が予定されており、ユーザーの意見を取り入れようという姿勢には好印象を受ける。
    以下では同じ狩りゲーであるMH(モンスターハンター)とGE(ゴッドイーター)との比較をメインに書いていく。

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    ━━狩りゲーとしてトップクラスのストーリー
    狩りゲーとしてストーリーの評価が良いゲームとしてはゴッドイーターが挙げられるが、本作もそれに並ぶほどストーリーの出来が良い。ストーリーのボリューム自体は10時間ほどで終わるためにそれほどではないが、ダークな世界観と設定で中々引き込まれる。
    また、各魔物には魔物化した理由が設定されており、資料としてそれらを読むことができるがこれも中々面白い。

    ただ、やはりストーリーにはもう少しボリュームが欲しかったところ。マルチ用のクエストはストーリー用の4倍ほど用意されていてボリュームは結構あるのだが、やはり淡々とした印象が強い。
    ストーリークエストのボリュームを増やした上で、ストーリークエストもマルチでプレイできるようにしてくれればベストだったように思う。

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    ━━ストレス無しにクエストを回せるゲーム性
    このゲームの特徴として、クエストを受ける際の準備がほとんど必要ないために、連戦をストレス無くこなせるという点が上げられる。
    MHはマップが広大でエリア制になっているためにモンスターを発見して戦闘というステップを踏まなければならず、モンスターを探す時間は基本的に無駄な時間になってしまう。本作ではGEと同様に1マップ内に敵が存在するため、無駄にウロウロする必要がないのは個人的に好み。
    また、回復や補助が供物依存なため、禁呪を使う、供物を壊すなどが無い限りは戦闘後に回復薬などを補充するといった作業が必要ないために連戦がサクサク行える。
    ただ、戦闘以外の部分が簡略化されておりストレスを感じない出来なのは良いのだが、個人的にはMHの村やGEのフェンリルのような他のプレイヤーと共に歩ける場は欲しかったところ。

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    ━━軽快だがバランスの悪い戦闘システム
    本作は狩りゲーの中でも動きが軽めのアクションで、GE寄りの高速戦闘を行うことが出来る。
    攻撃、補助、回復は全て事前にセットした6種類の魔法を使い分けて行い、一定回数魔法を使用すると対応した供物の力が失われていく。供物の力は雑魚を生贄にしたり、フィールドに設置された供物の回復ポイントで回復することが出来る。
    ここでのポイントは雑魚を生贄にすることでプレイヤー側に大きなメリットが存在する点である。従来の狩りゲーでは大型ボスと同時に出てくる雑魚は単純にストレスにしかなっておらず、プレイヤー側には雑魚が存在するメリットが無かった。しかし本作は雑魚を活用して行かないと供物の数が足りなくなるので、他の狩りゲーとは異なり雑魚の存在がメリットとして活きてくる。さらに、ボスのブレスが直撃しても死なない虫が出てくるゲームとは異なり、雑魚はボスの攻撃にかすっただけで倒れてくれるので、適当に逃げまわるだけでも供物回復ポイントが増えていくのが素晴らしい。

    しかし、戦闘バランス自体は微妙で、特に供物のバランスが崩壊してしまっている。強い供物と言われる卵やゴーレム、布が極端に強く、これらを使うと最高難易度のクエストであってもソロならば1分強で終わってしまう。逆に弱い供物をマルチで使うと同じ敵でも数十分かかるという始末。相手によって相性があるというのではなく、単純に供物間のバランスが取れていないのは問題だと思う。
    さらに質が悪いのが、このバランスが体験版を経ているということである。一度製作者側でとったバランスをユーザーに投げて意見を求めた挙句にこのバランスというのはセンスが感じられない。体験版で強かった三叉系の供物は大幅弱体化でマルチで使っている人は皆無。一方体験版で弱かったゴーレム、卵は最強クラスになり、体験版では登場していなかった布も同じくバランスブレイカー。4月にアップデートがあるが、単純に強い供物を極端に弱く、弱い供物を極端に強くというバランスの取り方は駄目すぎる。対戦ゲーではないのだから弱体化ではなく、底上げでバランスを取るほうがユーザーとしてはプレイしていて気持ちがいいのだが、ラグナロクオデッセイといい本作といいもう少し考えて欲しい。

    また、魔法の種類が少なく、属性とランクでの水増しがあからさますぎて少々鼻につく。ほとんどの魔法で金、銀、銅の3種類×6属性×☆0~3という水増しが行われており、ボス専用の供物もいずれかの供物のモーション流用ばかり。魔法を付け替えても見た目はほとんど変化せず、供物集めのモチベーションは低い。
    そもそも属性が6種類存在するが、どう考えてもそんなに必要だとは思えない。例えば毒属性が弱点の敵などはガーゴイルしかいない一方で、弱点のないボスも多数存在するというわけが分からない状態。状態異常を蓄積させた時に起きる地獄も全属性共通で動きを止めるだけと個性がない。結局属性がムダに多いために、敵ごとに供物と刻印の属性を変える(使える供物は一部なので供物の種類は変えないことがほとんど)という無駄な作業を強いるだけの要素になってしまっている。

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    ━━リプレイ意欲が湧きにくい供物、刻印の仕様
    本作の最大の欠点は飽きの早い仕様である。狩りゲーが長時間プレイされる理由の一つが敵の素材を使った装備を作るという目標をゲーム側が持たせてくれるという点だろう。
    MHはリオレウスの装備が作りたいからレウスを狩る、レウスが倒したいから氷や雷の武器を作れる敵を倒す、といった目標が作りやすく長期間のプレイに耐えられるようになっている。しかし、本作では入手できる供物がクエストと評価に依存するために特定の敵を倒す理由が弱く、上でも述べたが供物自体に個性がないために積極的に集める気が起きにくい。

    供物以外には刻印というスキル的な要素があり、こちらは魔物の気や魂を集めてスキルを発動させる刻印を入手するもの。刻印自体は種類が豊富で組み合わせも多いのだが、これも倒す魔物と刻印の効果に関係性がないために達成感が少ない。レウスを倒してレウス装備を手に入れることと、ワイバーンを倒して投擲アップの刻印を手に入れることでは前者の方がはるかに達成感が大きい。
    これは供物、刻印の両者共に入手時に見た目の変化がなく、所有欲を満たしてくれないのが原因だと思う。

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    ━━総評
    ★★★★★★★★(8.0/10.0)
    不満点を大量に書いたが、新規IPの狩りゲーとしては十分な出来。Vitaを所持していて狩りゲーが好きならば購入をオススメできる。
    粗が多く、MHやGEにはまだまだ及ばないが、シリーズ化の際に今作での反省点を活かした上で続編を作れるかどうかは今後のパッチの出来次第だろう。少数のマニアックで声の大きい意見ばかりを採用して、有用な供物を弱体化していく方向性を取るならば、それをやって先細りしていった格ゲーやシューティング同様に未来はないと思う。
    メジャーソフトとしての地位を築くならば、最も気にしなければならないのはライトユーザーだということを念頭に調整をしていって欲しい。

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