英雄伝説 空の軌跡SC レビュー

    2011年03月31日 00:00

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    ━━空の軌跡シリーズ完結編
    空の軌跡SCは日本ファルコムの代表作である、英雄伝説シリーズの6作目であり、空の軌跡FCの完結編としての位置づけとなる。
    続編として空の軌跡 The 3rdが発売されているが、あちらは本編とは独立したファンディスク的なものになっていて、物語としてはSCで一旦終了している。

    また、最新作の零の軌跡及び碧の軌跡は世界観を共有した異なる物語のため、本作(FC,SC)をプレイしていると共通の単語やキャラが出演するため本作をやっていれば、より楽しめるだろう。




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    ━━作りこまれた世界観と壮大なストーリー
    本作の最大の魅力は、やはり2部作ゆえの壮大なストーリーだろう。
    FCでは世界観とキャラの顔見せが行われ、ラストでは結社の存在が明らかになり、ヨシュアがエステルの元を去るという衝撃的な演出でSCに続くことになる。
    様々な伏線と解き明かしながらFCで登場したキャラたちが活躍していく様は中々に楽しく、2部作故のスケールの大きさを感じることが出来る。
    一方で、2部作ゆえの弊害か少々テンポの悪い展開が多い。
    SCではFCに登場しなかった執行者たちの顔見せ的なイベントが中盤までの各章のメインになっており、敵がどんどん増えていく割にストーリー的には進展がないため、非常に中だるみしやすい。

    また、登場する街やダンジョンの大多数がFCで一度訪れた場所のため、新しい場所を訪れる新鮮さが無く、クエストなどでも街道をひたすら往復させられるため、プレイする意欲が削がれてしまう。
    個人的には最低限街に戻る手段を用意するか、クエスト終了時に街に戻る選択肢を出すなど、何らかの移動の簡略化を行って欲しかった。

    これらのモチベーションを下げる点が大きな欠点であり、全体をもう少しコンパクトに纏めることができたのではないかと思う。
    プレイ時間が長いことが良い事のように語られる傾向があるようだが、個人的には無駄なプレイ時間の引き伸ばしはマイナスでしか無い。

    とはいえ、ストーリーの完成度は非常に高く、キャラもしっかりしているのでストーリー的には近年のRPGでも上位に位置づけることが出来るだろう。




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    ━━オーソドックスな戦闘システム
    本作はよくあるターン式の戦闘システムが採用されている。
    目新しいシステムはあまりないが、ランダムで出現するボーナスに合わせてSクラフトで割り込みをかけたり、詠唱時間の短いアーツを挟んだりと、それなりに戦略性の高い戦闘を行うことが出来る。

    だが、戦闘のテンポ自体はあまり良いとは言えず、ボス戦はともかく雑魚戦が非常に面倒になる。
    雑魚が無駄に固く、魔法やクラフトを温存すると時間がかかるため、自分はできるだけ雑魚戦を避けて通るようになってしまった。

    加えて、キャラごとの能力差があまり無いことも問題だ。
    本作では魔法を使うためにキャラ毎にオーブメントをセットすることになり(FF7のマテリアシステムに近いものといえば分かりやすいか?)キャラによってセット出来る状態が違うため、それによって使える魔法が変わってくるのだが、中級魔法くらいまでは誰でも使えるために、個性がはっきり現れない。
    終盤になると特徴がある程度出てくるものの、序盤~中盤にかけてはクラフトも少なく、アーツもまとものものを扱えないため、誰を使っても変わらない状態になってしまう。
    クラフトをもっと増やしたり、キャラ限定のオーブメントを用意するなど、もう少し個性を際立たせて欲しかったところ。



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    ━━不満点もあるが親切なシステム
    本作はいつでもセーブが出来たり、街道で□を押すと街やダンジョンの方向が表示されたりとユーザーフレンドリーなシステムが多い。
    クエストの状況も逐次ブレイザー手帳に登録されていくし、ロード時間も気になるほどではない。
    プレイする際のストレスを減らそうという姿勢が感じられ好印象だが、それだけに不満点が浮き彫りになってしまう。

    まず、街道間の移動が多いが、移動を短縮する手段がないために同じ場所を何度も行き来すること。
    これに関しては上で述べているため、ここでは詳しく書かない。

    他にも、ゲームの展開上キャラの入れ替えが頻繁に起こり、さらに章毎にメンバーの一部が固定されることがあるため、装備品とオーブメントの入れ替えの機会が多い。
    その事自体は構わないのだが、オーブメントの配置は割と複雑なため、メンバーが入れ替わるたびにそれを行うのはかなり面倒。現在のオーブメントの状況を記憶する手段を用意して欲しかった。

    そして、ディスク2枚組ゆえの不満点。
    終盤に各街を回ることになるのだが、ディスク毎に収録されているマップが異なるため、現在使っているディスクに入っていない場所に行くたびにディスクの入れ替えを要求される。
    容量の関係なのだろうが、メディアインストールで町のデータを入れておくなどディスクの入れ替えは最小限に留めるべきだと思う。




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    ━━総評

    ★★★★★★★★☆ (8.5/10.0)

    中だるみが起きやすく、面倒な点もいくつかあるが、全体で見れば十分良作。

    FCをプレイしなければストーリーに付いていけず、2作をプレイすると100時間近いプレイ時間がかかってしまうが、FC→SCへの繋ぎが上手く、先が気になるような作りになっているので、ストーリー重視のRPGをプレイしたい人にはおすすめ出来る作品だろう。




          
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